くすりと微笑んで、先輩の長い指が僕の軍服にかかる。
釦をたどるようにして、胸元に触れる。
……ゆっくりと、ゆっくりと、触れ、そして──。
ボタンを外す。
指が直に首筋に触れて、
僕の反応を楽しむように、先輩が妖艶に微笑んだ。
雪音
「紗凪、……可愛い。」
紗凪
「っ……。
……きゅ、吸血が、嫌なわけ……ない、けど。」
雪音
「……けど?
紗凪
「っ、もう。
先輩、意地悪しないでよ……。」
雪音
「ふふ、ごめんなさい。
照れるあなたがあんまり可愛くて。」
紗凪
「……もう。」
雪音
「……いい?」
紗凪
「……うん……。」
先輩がゆっくりと首筋に唇を寄せて来る。
柔らかな前髪がくすぐったい。
距離もだいぶ取っているし、お互い木に隠れているから、
蒼緒ちゃんたちからは見えないだろうけれど、
……なんだか恥ずかしい。
紗凪
「んんっ……!」
肩が跳ねて、声が出ちゃう。
先輩が背を丸めて、僕の首筋にゆっくりとキスをする。
雪音
「……ん。」
紗凪
「……んんっ。」
先輩の吐息が首筋にかかって、くすぐったい。
けれど、……くすぐったいだけじゃない。
身体が……
「じわりと熱を帯びるのがわかる。
紗凪
「……んっ、っ、先輩……っ。」
雪音
「紗凪……っ。
ふふ。……震えてる……。」
紗凪
「んんっ。……んっ、ぁ……っ。」
雪音
「……紗凪。……可愛い。」
紗凪
やっ……っ。そこでしゃべっちゃ……っ、っ!」
雪音
「……だめなの? ……会話も楽しまなくちゃ。
それとも……。
早く、吸って欲しい?」
紗凪
「んんっ! ……あっ……っ。」
僕の反応を楽しむようにして、先輩が首筋に唇をはわせては、
柔らかく吸い上げる。
小さく響くリップ音と、緩急をつけて吸いつく感触に、
ひくりと身体が跳ねてしまう。
紗凪
「んんんっ……!」