Scene 1

くすりと微笑んで、先輩の長い指が僕の軍服にかかる。
釦をたどるようにして、胸元に触れる。

……ゆっくりと、ゆっくりと、触れ、そして──。

ボタンを外す。

指が直に首筋に触れて、
僕の反応を楽しむように、先輩が妖艶に微笑んだ。

雪音
「紗凪、……可愛い。」

紗凪
「っ……。
 ……きゅ、吸血が、嫌なわけ……ない、けど。」

雪音
「……けど?

紗凪
「っ、もう。
先輩、意地悪しないでよ……。」

雪音
「ふふ、ごめんなさい。
 照れるあなたがあんまり可愛くて。」

紗凪
「……もう。」

雪音
「……いい?」

紗凪
「……うん……。」

先輩がゆっくりと首筋に唇を寄せて来る。

柔らかな前髪がくすぐったい。

距離もだいぶ取っているし、お互い木に隠れているから、
蒼緒ちゃんたちからは見えないだろうけれど、
……なんだか恥ずかしい。

紗凪
「んんっ……!」

肩が跳ねて、声が出ちゃう。
先輩が背を丸めて、僕の首筋にゆっくりとキスをする。

雪音
「……ん。」

紗凪
「……んんっ。」

先輩の吐息が首筋にかかって、くすぐったい。
けれど、……くすぐったいだけじゃない。

身体が……
「じわりと熱を帯びるのがわかる。

紗凪
「……んっ、っ、先輩……っ。」

雪音
「紗凪……っ。
 ふふ。……震えてる……。」

紗凪
「んんっ。……んっ、ぁ……っ。」

雪音
「……紗凪。……可愛い。」

紗凪
やっ……っ。そこでしゃべっちゃ……っ、っ!」

雪音
「……だめなの? ……会話も楽しまなくちゃ。
 それとも……。
 早く、吸って欲しい?」

紗凪
「んんっ! ……あっ……っ。」

僕の反応を楽しむようにして、先輩が首筋に唇をはわせては、
柔らかく吸い上げる。

小さく響くリップ音と、緩急をつけて吸いつく感触に、
ひくりと身体が跳ねてしまう。

紗凪
「んんんっ……!」

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